日本に「長屋」のような起業家コミュニティを作った熱量の人–CIC Japan・平田美奈子氏【前編】 – CNET Japan read full article at worldnews365.me

 企業の新規事業開発を幅広く支援するフィラメントCEOの角勝が、事業開発に通じた、各界の著名人と対談していく連載「事業開発の達人たち」。今回は、東京・虎ノ門で展開する日本最大のスタートアップ向けシェアオフィス「CIC Tokyo」にお邪魔して、同施設の立ち上げ・運営の主要人物であるCIC Japan 合同会社 ゼネラル・マネージャー(オペレーション)/一般社団法人ベンチャー・カフェ東京 理事の平田美奈子さんにお話を伺います。

CIC Japan 合同会社 ゼネラル・マネージャー(オペレーション)/一般社団法人ベンチャー・カフェ東京 理事の平田美奈子さん(右)
CIC Japan 合同会社 ゼネラル・マネージャー(オペレーション)/一般社団法人ベンチャー・カフェ東京 理事の平田美奈子さん(右)

 CIC Tokyoは、世界最大級のイノベーションコミュニティであるケンブリッジ・イノベーション・センター(CIC)の日本拠点で、東京虎ノ門 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーの15階・16階で、オフィスやコワーキングスペース、イベントスペースを営んでいます。同所には、スタートアップとスタートアップの創出・成長に必要なステークホルダーである投資家、大企業、政府機関,自治体、大学、プロフェッショナルファームがオフィスを構え、イノベーションエコシステムを形成しています。

 周りから“熱量の人”と評される平田さんは、どのようにしてゼロからCICに人々を巻き込んでいったのか、前編では姉妹団体であるベンチャー・カフェ東京を成功裏に立ち上げるまでのエピソードをお届けします。

“底堅い”ばかりで心が躍らない国内経済予測

角氏:平田さんは国内で新しい組織の立ち上げに尽力されるとともに、起業家やスタートアップを支援するという複数の側面をお持ちですよね。実は僕自身もフィラメントを起業して独立する前に、大阪市役所の職員として「大阪イノベーションハブ」を立ち上げた経験がありまして、平田さんと同様に立ち上げ前の準備から常駐して同所を盛り上げていくまでの経験をしているんです。平田さんのプロフィールを拝見して、当時を思い出しました。今日はご苦労話を含めて、いろいろお話をお聞かせください。

平田氏:何でも聞いてください。

角氏:では自己紹介からお願いできますか。

平田氏:私は大学を卒業してから8年間、シンクタンクで働いていました。そこで経済予測やイベントの企画、編集などの仕事をしていて、多くの経済界の要人ともお会いしました。CIC以前のキャリアは、そこが一番長いです。

角氏:シンクタンクでは相当激務だったんじゃないですか?

平田氏:毎年バレンタインや紅葉の頃に、働き甲斐がある時期が訪れます(笑)。その時期には、GDP予測の指標となる米国経済統計の発表を待ってレポートを作り始めるのですが、出るのが夜で、夜中にコンポーネントごとに分担して情報を集めていきました。他にも様々な統計があって、それらを基に予測値を作り、誰がどんな発言をしたなどの定性的な判断を加えて予測を出していくんです。その時は、企業からの出向者や役所の人も一緒にチームに入っていて、各々の看板は一旦横に置き、純粋に経済についての話をするチームで働けたのは、とても面白かったですね。ただ一方で、ずっと底堅く推移している当時の日本経済に閉塞感も感じていました。

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角氏:昔はもっとダイナミズムがあった。

平田氏:20年後・30年後に日本をどう見ていくかという部分では、課題先進国とか企業が抱える閉塞感とか、あまり心が躍らないようなレポートが多かったんです。女性雇用やジェンダーギャンプの話も、日本の労働人口どんどん減っているのに何故変わらないのかと。企業も安定しているというけど、どのレベルの安定なんだという印象があって。

仕事観を大きく変えたボストンでの暮らし

角氏:その時に日本の経済状況をつぶさに見られたことが、その後にも影響していますか?

平田氏:そうかもしれないですね。そして8年働いた後、一旦キャリアをストップして家族の都合でボストンに移住しました。

角氏:CICの本拠地があるケンブリッジの近くですね。

平田氏:そこでの生活が、私の中では衝撃的だったのです。データサイエンティストやスタートアップの起業家など、世界各国から集まったチームで働いている人たちが多かった地域で、みんな仕事を楽しく語るんですよ。パーティーに行くと、「What do you do?」って聞かれて、英語がネイティブじゃない私としては、「いや、何やってんの?って言われても何て言えばいいの?」とびっくりしてしまって。

角氏:僕はそういう場でパパ友とかに合っても、仕事のことは聞けないです。

平田氏:あと、当時仕事をしてなかった私にも、どんなことに興味があるか聞いてくるんです。対等だし、レベル感を見ない。その人が今どういうことに情熱を持っていて、どんな夢があって、どんなことしたいのかを毎回ポジティブに話をするようなコミュニティが周りにあったことが、私の仕事観を大きく変えました。ほかにも米国では出産直後の子育てに対する考え方も、母親が働いていることが前提になっていますし、日本もそこから変えないとダメだと実感しましたね。

角氏:なるほど。全部いい学びになっているのでしょうね。

東京でCIC創業者と再会しプロジェクトに参画

平田氏:ボストンでの数年間の暮らしを経て帰国し、仕事を探し始めました。その時に、向こうで出会ったCIC 創業者兼CEOのティモシー・ロウ(ティム)とたまたま会う機会があり、日本進出の構想を打ち明けられて、CIC Tokyoを開設するプロジェクトに参画することになったのです。

角氏:ほうほう。

フィラメントCEOの角勝
フィラメントCEOの角勝

平田氏:元々どうなるかわからないプロジェクトだったのですが、面白そうだったし、個人的に当時の国内の開廃業率が主要国中で圧倒的に低いという状況に新陳代謝の悪さを感じていて、「これは日本の企業や就労環境が抱える閉塞的な状況に風穴を開けられるかもしれない」と思えて、引き受けることにしたのです。米国にいたころ、周囲ではMIT(マサチューセッツ工科大学)の同窓生などインターナショナルなチームで集まって起業するケースも多く、「こんな感じで仕事を始めちゃうの?」という意外性や、そもそも就活して企業に勤めてという日本人の職業観とのギャップを感じていました。その中で、仕事に対してストレートに情熱を語っている彼ら彼女らの姿が、傍から見ていて格好良かったんですね。

角氏:ティム氏とはどんな話をされたのですか?

平田氏:「われわれの活動は昔日本にあった長屋のようなものだ。皆が協力し、足りないものを出し合うコミュニティが生活を豊かにし、安定させていく。起業家も一緒なんだ」と話をしてくれました。起業家のコミュニティにそのような仕組みを導入すれば、日本は凄くチャンスがあると。優秀な人もたくさんいるし、大企業のリソースはたくさんある。ただ、結び付きとネットワーク化と掛け算がうまくできていない部分に関して、「モッタイナイネ!」と言っていましたね。

角氏:長屋の話を知っているとは驚きです(笑)

アルバイト契約から少しずつ役回りが増える

平田氏:それで納得できたというのが1つ。他にもボストンにいた時の友人に話をしたら、「俺CICに入っているよ」と言われて、「こういう人たちを支えるのがCICか」と納得できたんです。最初は調整や秘書業務をして、徐々に梅澤(高明氏 CIC Tokyo会長)の交渉の場所に同席して意思決定のプロセスも横で見るようになり、少しずつ役回りが変わっていきました。ただ最初の雇用形態はアルバイトで、乳飲み子も抱えていたので、その頃は「このままマミートラック(※産休・育休から復帰した女性が昇進・出世コースから外れる状況になること)に突入してしまうのだろうな」と感じていましたね。

角氏:スタートはアルバイトでも、そこからアサインされるプロジェクトや労働時間も増え、意思決定のプロセスにも参画されるようになったわけですよね。

平田氏:参画というと大げさですが、意思決定プロセスでの発言や重要な案件の書類作りを任されて、どんどんチャンスをくれたんですね。ティムも日本人相手のコミュニケーションの進め方は私の意見を尊重してくれましたし。

角氏:平田さんのお話には凄く説得力あるんですよ。文化的なインタープリターの役割をされていて、本質を指摘されていたのですね。

平田氏:恰好良くいうとそうですけど。

角氏:何でそんなに自信ないんですか(笑)

平田氏:そこが私の弱点なんです。

まずは虎ノ門にスタートアップのコミュニティを作る

角氏:自信満々なのかと思ったら、凄く柔らかいのですね。だから信頼されるんですよ。それが2016年からのお話で、次の山はCIC Tokyoオープンの時ですか?

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CIC Tokyo
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平田氏:その前に、ベンチャー・カフェ東京という姉妹団体の立ち上げがありました。ベンチャー・カフェは、CIC Tokyoというハードができる前にまずコミュニティを虎ノ門で作るという試金石的な取り組みであり、スタートアップのコミュニティづくりから始めました。

角氏:そうなると、施設とコミュニティという2つを運営する事になりますが、ご経験は?

平田氏:ゼロです。だから2018年3月の開設に向けて、それができる人たちを探しにいきました。現CIC Japan プレジデントの山川恭弘は、バブソン大学准教授時代からずっとCICボストンで繋がりがあったのですが、まずみんなで彼を口説きに掛かり、次にバブソン大学の繋がりで一人を口説き、「誰か連れて来ないとまずいよ」と言って(笑)、4人集めてスタートしました。

角氏:口説く時の殺し文句はあったのですか?

平田氏:殺し文句は、「絶対面白いと思う」でした。あとは、それぞれ閉塞感を持っているところがあったかもしれませんね。同じ気持ちになれる同志でないと、船には乗れないと思いました。それでいざふたを開けてみたら、予想以上にお客さんも集まって、最初は20-30人規模で事業計画書を出していたのですが、イベントに400人集まることもあって場所が足りなくなり、森ビルさんにご迷惑をおかけするくらいのスケールでコミュニティが育っていきました。

角氏:それは凄い!ちなみにベンチャー・カフェは常設の場所ですか?

平田氏:ベンチャー・カフェは世界のCIC施設に併設されていて、Thursday Gatheringというイベントを毎週木曜日に行っています。基本的に利益追求をせず純粋にコミュニティにフォーカスした団体です。

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角氏:ベンチャー・カフェで文化を作って人を増やし、CICでマネタイズしていくというイメージですね。

平田氏:ベンチャー・カフェは外部の人も受け入れて、CICは入居者が中心となったコミュニティが形成されています。ベンチャー・カフェ自体でコミュニティも育ちましたし、当初から参加して下さった方々とは、スタートアップエコシステム協会の設立や、経済産業省主催の「J-Startup Hour」との連携などで、国内スタートアップ支援の仕掛けも行っています。

 後編ではCIC Tokyoの開設秘話と、現在どのようなことを意識して施設を運営されているか伺います。

【本稿は、オープンイノベーションの力を信じて“新しいことへ挑戦”する人、企業を支援し、企業成長をさらに加速させるお手伝いをする企業「フィラメント」のCEOである角勝の企画、制作でお届けしています】

角 勝

株式会社フィラメント代表取締役CEO。

関西学院大学卒業後、1995年、大阪市に入庁。2012年から大阪市の共創スペース「大阪イノベーションハブ」の設立準備と企画運営を担当し、その発展に尽力。2015年、独立しフィラメントを設立。以降、新規事業開発支援のスペシャリストとして、主に大企業に対し事業アイデア創発から事業化まで幅広くサポートしている。様々な産業を横断する幅広い知見と人脈を武器に、オープンイノベーションを実践、追求している。自社では以前よりリモートワークを積極活用し、設備面だけでなく心理面も重視した働き方を推進中。

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